ＡＴＦ・ＣＶＴフルードの劣化と交換時期
◆フルードの劣化による症状
○加速性能の低下
○燃費の低下
○変速不良
○変速タイミングのずれによる変速ショック（ＡＴ）
�／渓�のフルードは一般的にきれいな赤ですが、使用油のフルードは使用と共に茶色がかって汚れていきます。これは、フルードがミッション内を循環し、動力の伝達や油圧制御、油圧作業、摩擦制御といった役割を果たすと共に、発生したスラッジ等のミッション内部の汚れをフルードが洗い流していることによります。
また、摩擦によって発生した金属粉が含まれることも多々あります。
このようにフルードに様々な物質が包含されるようになると次第にフルードは本来の性能を失っていきます。これを劣化といいます。また、空気と接触することや、温度の上下動によってもフルードは劣化していきます。
�▲侫襦璽匹�劣化すると、潤滑性能や本来の粘土温度特性および摩擦特性を失い、クラッチの滑りや変速ショック、摩擦を引き起こすほか、消泡性の低下により油圧作動油としての機能が低下する等、ミッション各部でフルード本来の性能が発揮できなくなります。
��また、発生したスラッジを洗い流す能力も失われ、スラッジがミッション本体内部に堆積するようになります。このような状態になると、ミッション本来の性能が発揮できなくなります。放置するとさらに状態がひどくなり、最後にはミッションの不調につながります。よって、フルードの本来の性能を維持し、ミッションの性能を保持するために交換が必要となります。
◆ＡＴＦ・ＣＶＴフルード交換の目安は２万ｋｍ走行ごと、または２年ごと
ＡＴＦ・ＣＶＴフルード交換の目安はフルードの劣化があまり進まず、ミッションを傷めることなく､長期間にわたって新車時の性能を維持するために、最適な交換タイミング（２万ｋｍ走行、又は２年間のどちらか早く到達した時点）での交換を推奨します。
◆ＡＴＦ・ＣＶＴフルードの劣化によるミッションの障害
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�▲灰鵐肇蹇璽襦Ε罐縫奪汎發任離侫襦璽匹量�圧性能の低下による変速不良
��クラッチ・プレートの磨耗によるすべり
◆ＡＴＦ・ＣＶＴフルードの劣化
ＣＶＴフルードもＡＴＦと同様、永遠に使用できる物ではありません。
ＡＴＦ・ＣＶＴフルードの添加剤の劣化や細かな磨耗粉などが内部発生した場合、フルードと混ざり循環していきます。スラッジの析出なども劣化促進の原因となります。
AＴＦの温度は通常走行時、オイル・パン内では80℃程度となっていますが、高速走行や長い上り坂等エンジンを高負荷・高回転で使用すると、100℃以上になります。ＣＶＴフルードはＡＴＦよりも10℃〜20℃位、高温になります。
◆ＡＴＦ・ＣＶＴフルード劣化が及ぼすミッション本体への影響
●ベアリングの異音
プーリーや回転部分の軸受けベアリングの摩耗（ＣＶＴ）
デフなどの回転部分の軸受けベアリングの摩耗（ＡＴ・ＣＶＴ共通）
●コンバータの異音
コンバータ内部金属ベアリングや樹脂製スラスト・ワッシャーの摩耗（ＡＴ・ＣＶＴ共通）
●スチール・ベルトの滑り
高摩擦調整剤の劣化によるもの及びプライマリ及びセカンダリ・プーリの油圧作動ピストンの油圧保持用ゴム製リングの摩耗（ＣＶＴ）
●スターティング・クラッチの振動
ホンダ・マルチマチックは電磁クラッチやコンバータを使用していない為、発進時に半クラッチ制御をしています。
フルードﾞの劣化による作動遅れやタイミングのずれなどが考えられます。（ＣＶＴ・ホンダマルチマチック スズキ Ｓ−ＣＶＴ）
●スターティング・クラッチの滑り
摩擦調整剤の性能低下でクラッチの焼けやクラッチの摩耗（ＣＶＴ・ホンダマルチマチック）
油圧作動ピストンの油圧保持用ゴム製リングの摩耗（スズキ Ｓ−ＣＶＴ）
●クラッチの滑り
コンバータを使用しているＣＶＴは、前進・後退にクラッチを使用しています。
油圧作動ピストンの油圧保持用ゴム製リングの摩耗（ＡＴ・ＣＶＴ共通）
●タイムラグ
コンバータを使用しているＣＶＴは、前進・後退にクラッチを使用しています。
クラッチ作動ストロークが多くなると繋がるまでの時間が長くなります。
クラッチの摩耗が考えられます。（ＡＴ・ＣＶＴ共通）